Gospel Singer 向日かおりの みちくさ日記


by spiritualsong
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永遠の手

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本が出た。

昨年の12月下旬だった。

出版社からお声をかけていただいて、4年の歳月が流れ、

ずいぶん回りの方にご迷惑をおかけした。

その間、ずっと執筆していたわけではない(笑)

時が来るのを自分の中で待っていたのかもしれない。

時間はかかるが、絶対にやりとげるタイプでもある。



過去の自分の姿を見られて、うれしい人はいない。

正直、穴があったら入りたい。

でも、どうして出さなければならなかったかというと、

苦しむ人、希望の見えない人、今日しも命を終わらせたいと思う人に、

少しでも何か差し出したかったからだ。

何もしないではいられなかったのだ。



まるで、もう一度脱皮するような気持ちでもあった。

古い過去、もう終わったはずの過去だが、そこに光を当て、

今の自分はそこを通りきって、新しくされていることを確認する。

蝉が殻を脱ぎ捨てて、その殻を見ているような気持ちだった。



ところが、出版前後に、自分には思いもよらないことが起きた。

人間は弱いものだ。あっという間に立ち位置が崩れ、自分の上下も判断力も

ついえてしまった。大船に乗って安心しきっていたところから、

泡立つ波に落とされた気持ちだった。



その時、ああ、と思った。


自分はもう幸せで、もう満ち足りていて、もう輝いているの。大丈夫なのよ。

そういうつもりだった。

でも、そんな気持ちで、本当に辛い人々の前に立っていたとしたら・・・・。


きっとその私は、その人々にとって「強すぎ」ただろう。



「どんな歌も今の自分には届かない」という気持ち。

20年間歌っていて、どんな時も絶対に感じたことのない無力さ。

本当に始めてそんな気持ちになって。

苦しいが、良かった。



神さまを求める人たち。神さまなんて見えない、どこにいるのかと呻く人たち。

その人たちの心から、私は、遠くなりそうだったのだ。



ある恩師が、言ってくれた。今いるのは十字架の位置なんだよと。



見えなくても、感じなくても、下には「永遠の手」がある。



この本は、どこまでも大丈夫だよという、神さまからのメッセージに

なると良いな。

弱い私からでなく。

神さまご自身からのメッセージになれば。
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by spiritualsong | 2010-01-04 16:02